生産部門と販売部門とが自己中心的に動いてしまうことによる弊害は、在庫や仕掛(逆の場合は、欠品、納期遅延)といった姿に変わって現れます。販売部門では欠品を恐れるあまりサービス率100%という過度な要求を行ったり、実傾向とかけ離れた予算設定、営業戦術がリンクしない売上目標の提示などが行われ、先行生産の原因を作っています。これらは結果として過剰在庫や死蔵在庫につながるだけではなく、生産部門の弱体化の一因にもなり得ます。生産部門の弱体化とは、在庫を持つことで品質問題や設備故障、段取ロスなどが「ブラックボックス化」され、結果として製造原価の高騰とコスト競争力の低下を引き起こすことを指します。そこで、販売部門と生産部門が一体となって、在庫/納期のコントロールを行う「生販在一元化システム」の構築が必要となります。
生販在一元化システムとは
一元化とは、多くの組織・機構を1つの本源(ここでは思想とか目的と考える)に統一することです。すなわち生産のあり方(生産方式)、販売のあり方(販売方式)、在庫のあり方(在庫場所や種類)を情報システムでつなげ、「目的」を達成する仕組みを「生販在一元化システム」と呼んでいます。顧客ニーズや市場競争上の必要条件を生産管理システムや生産方式の設計要件に展開し、一元化システムを構築します。
生販コンセンサスによる仕組み構築
生産の都合、販売の都合のみで在庫の持ち方や管理方法を決めるのではなく、会社として、工場としての納入サービス水準を明確にした上で、共通の目標(在庫基準やサービス率)を設定することが重要です。また、各部門では、先行受注情報や販売計画に基づき、精度の高い生産指示を行うこと(販売部門)や生産リードタイムそのものを出来る限り短くすること(生産部門)など、実現の為の仕組みづくりが必要です。右記の検討ステップにより、生販のコンセンサスに基づく仕組み構築が可能となります。
生販在情報システムの高度利用
生販在一元化システムの基本は、販売計画、生産計画、在庫計画の連動にあります。業務サイクルやタイミングを同期させ、情報を滞留させることなく、鮮度の高い状態で活用することが重要となります。情報技術の発展により、低コストで高パフォーマンスの情報システム活用が出来るようになり、リアルタイムでの情報反映が可能となってきました。それらを有効に活用し、短サイクルでの計画立案、生産実績収集を行い、在庫・納期調整を行うことで、過剰在庫の未然防止、欠品時の在庫配分の適正化などに結びつけることが可能となります。
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